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定年後の苦楽

 在職中は仕事上のストレスが強くなると、きまって定年の日が待ち遠しく感じられたものでした。定年前の1年間は、特にそうでした。でも、いざ定年の日を迎えてみると、かえってあのストレスの日々が妙に懐かしく思い出されます。きっとそうなるだろうと、実はある程度予測はしていたのですが・・・。

 難しい問題に頭を悩ませた日々には、それをクリアできた時の達成感がありました。ストレスの日々の合間にやってくるたまの休日には、ほっとくつろげる時間がありました。つくづく、「苦」と「楽」は表裏の関係だと思います。もし難しい問題もストレスもない毎日だったら、もし毎日が日曜日だったら、仕事の達成感も休日のくつろぎもなくなります。もう「楽」を感じることはできないでしょう。「苦」があってこその「楽」だと、心の底から思います。

  定年後は、有り余る膨大な時間を与えられます。遊びや旅行や趣味だけでは、しばらくは良いにしても、やがては行き詰まるだろうと考えました。そこで再就職の道を選びました。これは正解だったと思います。かって程のストレスではありませんが、ここにも適度なストレスがあります。適度な時間的拘束もあります。ほどほどの「苦」が作れますので、ほどほどの「楽」を感じることができます。ほどほどの苦楽が定年後には最適です。

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