自動思考
考え方のクセというのが誰にもあるということです。「自動思考」というそうです。うつ病の治療方法の一つである認知療法の中で、この言葉がよく出てきます。うつに陥りやすい典型的な「自動思考」は、私にもあるようです。その最たるものは、起きた出来事の意味を悪い方向に解釈するということです。自分に投げかけられた他人の言動への解釈も、賞賛は過小に、批判は過大にと、マイナスと不安の方向へ流れがちです。良く言えば用心深いということですが、悪く言えば猜疑心が強いということになります。
それを実際以上に悪い方向でとらえて準備するのは、それが実際に起きてしまった時の自分のダメージを少しでも小さくしておきたい、これも想定の範囲内だったと思えるようにしておきたいという、つまりは自己防衛のなせるわざではないでしょうか。
物事をやや悲観的に考える傾向は、多くの日本人に共通しているような気がします。例えば日本人の貯蓄率の高さも、このことと関係があるかもしれません。最近は若年層の低年収化と団塊層の預貯金取り崩しもあり、日本人の貯蓄率も低下しているそうですが、日本人が消費よりも貯蓄を優先する傾向は変わっていないようです。今回の金融危機では、本来の危機の出所のアメリカよりも、日本は金融財政的にははるかに健全のはずでした。ところがその後の日本の経済指標のいくつかは、日本がアメリカやヨーロッパの多くの国々より、より大きなダメージを受けてしまっていることを示しています。経済の動きは、例えば株価を筆頭に、人間の心理に大きな影響を受けます。ここでも、心理的に先行き不安を感じる度合いが、どうも日本人の方が大きいことを示しているような気がします。
首相が誰に替わっても、自民党議員の先行き不安は収まらないでしょう。替えろという声がまた出るに決まっています。国民の人気なんてものに期待して、軽く決めるからいけないのです。政権政党が民主党に替わって、首相が小沢さんに替わっても、国民の不安はまたぞろ出てくるでしょう。日本人はいつも先行き不安なのです。そもそもこれが日本人の「自動思考」なのですから。
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