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2011年10月14日 (金)

楽しかりし頃

 彼は校長でしたが、学校で問題を起こす生徒と直接やり合っていました。2階のベランダから、下を歩く服装のだらしない生徒やタバコを喫っている生徒を、近隣に聞こえるような大声で怒鳴ります。挙動不審な生徒に目をつけると、難癖をつけてはケンカを売ります。相手を挑発して、生徒が言い返してくると、「なんだテメーその口のきき方は!」と、待ってましたとばかりに指導に入ります。校長の方がよほど問題のある口のきき方でした。ある日、職員室へ職員が飛び込んできて言いました。「大変です、また校長先生が暴れています!」。生徒が暴れて職員が職員室に飛び込んでくる学校は珍しくありませんでしたが、こういう学校は初めてでした。

 地域のお祭りに校長が顔を出した日でした。お祭りにたくさん来ていた自校の生徒のうちに、チョイワルな生徒がいました。校長はたまたま来ていた別のチョイワル生徒をつかまえて言いました。「おい、あいつ生意気だからちょっとしめてやれよ」。さすがに同席していた地域の人に言われてしまいました。「校長、それはまずいよ」。 

 年に1回の職員旅行の時には、気にくわない職員と必ず夜ケンカをします。まるで棒きれを持ったガキ大将がそのまま校長になったようです。相手を挑発して戦線がどんどんと拡大していくのは、まるでかつての 関東軍です。「昔陸軍、今○○○ヤマ」。私は密かにそう思いました。後方支援が大変でした。

 彼の長所は、とにかく即断即決で職員集団を引っ張っていくその抜群の指導力です。石橋を叩いて渡る(叩いても渡らない)私とは大違いです。石橋を爆破しながら渡るようです。よく彼から私は言われました。「あんたは真ん中を取りすぎる」。確かに私は双方の顔を立てながら、足して2で割るようなことをします。「でもあんたは端を取りすぎる」、そう言い返したかったのですが、相手は校長なので我慢しました。

 もう10年前のことになります。破天荒でとても愉快で、字が異常に下手だったこの校長先生と一緒に仕事をした1年間は、私にとって忘れられない思い出になっています。

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コメント

monさんへ
コメント、ありがとうございます。
確かに、そうですね。どちらかというと、楽しかったことが想い出になります。人間は、嫌だったこと、苦しかったことはなるべく忘れるようにプログラムされているようです。
  くりりん

こんばんは~★
暗くなるのが、早くなりましたねぇ~

面白い校長先生ですね。
ドラマにしたら、きっと、うけると思います。どうでしょうか?

想い出だから、その時のつらさより、楽しいときが思いだされる。
今は、そんな、元気な先生はいないでしょうねぇ~
疲れていそうだし、「モンスターママ」の抗議がつらいですね。

人生、いろいろ・・・

マリーナさんへ
コメント、ありがとうございます。
生徒指導困難校を立て直すのが得意な校長さんでした。目標を掲げて、そこに向けて一直線に突進するので、最後には職員も後についていきました。すごい校長先生でした。  くりりん

凄い校長がいたんですね。これでよく校長になりましたね。余程これらの行為を帳消しにするような優れたところがあったのでしょうか。よく言われる言葉に「最近こういう豪傑がいなくなった」というのがありますが、「最近の若い者は」と同じで、古から言われた言葉なんでしょうね。

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