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2011年12月23日 (金)

肥後守

 肥後守は簡易折りたたみ式ナイフで、日本で戦前から使われていました。このナイフが最近見直されているようです。静かなブームという声もあります。どこかの小学校では、これを新入生全員へ贈っているそうです。道具を使う緊張感を養う、集中力を高める、たとえ自分がケガをしてもその小さな痛みの中から他人を傷つけない使い方を学んでいく、新聞にもそう書いてありました。どうしてもっとたくさんの学校でこれを使わせないのかと、そう言いたげです。お説ごもっともです。ではそんなに良いこと尽くめの肥後守が、どうしてほとんどの学校では見掛けなくなってしまったのでしょうか。

 どんなに学校の指導が徹底していても、ナイフがあればそれを不適切に使用する子どもの存在を否定できません。ナイフを振り回す子どもも一定の確率で必ず出てきます。そして不幸にも、学校で子どもが他の子どもや教師にナイフでケガをさせると、これはニュースになります。マスコミは学校を責めます。教師は指導力不足を責められ、日頃の指導のあり方を問われれます。校長はその責任を問われ、警察からはもちろんのこと、保護者からもマスコミからも教育委員会からも釈明と説明を求められます。下手をすると保護者集会で吊し上げになり、校長は眠れない日々を過ごします。こうしてナイフは、今後その学校では使用禁止になります。

 どんな良いことにもそれなりのリスクがあります。そのリスクが現実のものになった時、今後それを避けるために、本当は大事なものが代わりに失われていったのです。その流れに抗しきれなかった学校と教育委員会にも責任はあります。でもはっきり言いますが、学校からナイフを追放したのは、一部の保護者と彼らを煽ったマスコミです。かつてそれに加担したマスコミに、今更のように肥後守の教育的意味など説かれたくはありません。お察しの通り、肥後守は他にもたくさんある中のほんの一例に過ぎません。
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秋の名残(近隣で)H23.12.17

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教育・学校」カテゴリの記事

コメント

monさんへ
ドイツの話は知りませんでした。世界各国の学校の校則を紹介した本があるそうです。
読んで面白かったら、今度紹介したいと思います。  くりりん

こんばんは~
そうですねぇ~ 確かに、ナイフは危険とされればそうですが、
TVで観ましたが、ドイツでは、幼いときから、ナイフを渡されていると・・・
そして、少し、子供が大きくなっていくとき、器用か? 将来の職業の
参考にもしているとか・・・・・
 最近は、怖い親が多く、トラブルを避けたい一心ですから、
日本では、希望が持てないですねぇ~

マリーナさんへ
コメント、ありがとうございます。
なるほど、そうかもしれません。放射線の影響でも、乳児をもし抱えていたら、私でも今よりは大騒ぎしていたでしょうね。(肥後守と放射線は同列にできませんが)
恐らく昔もナイフ事件はあったでしょう。それが問題視されなかった背景には、学校(教師)への社会全般の信頼度が高かったこともあると思います。報道のネットワークがまださほど構築されていなかったせいもあるでしょうね。   くりりん

マスコミなんてそんなものです。ご都合主義の典型です。それにしても昔の小学校では肥後守が日常的に使われていたのに、それによる事件があった記憶がありません。それともあったけれどそれほど問題視されなかったのか。
「どんな良いことにもそれなりのリスクがある」ということは、理屈ではわかるのですが、いざ我が子の身に災難が降りかかったときに、その考えを保てるかどうか自信がありません。

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