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2013年3月22日 (金)

治まる御代のお目こぼし

 副校長だった時分の研修会で、講師でやってきた教育長が私たちにこう質問しました。「副校長の一番大事な仕事は何だか知ってるか?」。続けて彼はこう答えを言いました。「目配り、気配り、金配りだよ」。教育長としては多少の笑いをとるつもりだったのかもしれませんが、今だったら完全に「アウト」でしょう。学校が自由に使える金をいかにこしらえるかは、副校長の手腕の一つだという認識があった時代の話です。今では慶弔にわずかばかりのお金を包むにも厳しい規程があり、包もうにも学校にはお金がありません。

 修学旅行を引率する職員はとても大変です。夜の張り番や巡回でほとんど眠れません。職員の本部の部屋には夜食やビールが運ばれた時代もありましたが、今はアルコールは厳禁です。飲んだらいざという時に対応ができないこともありますが、何よりそれを許さない社会の変化がありました。大きな学校行事の後の反省会と称する打ち上げも、校内では
アルコールは今は認められません。職員の飲酒運転に対する処分も、事故の有無に関わらず原則懲戒免職になりました。

 生徒の非行を注意したら、「おめーはうぜーんだよ、ばーか」。これに頭に来ない教師はまずいません。でもうっかり手を出せば、保護者は学校に怒鳴り込み、訴えて裁判を起こします。「体罰だ指導力の欠如だ」と、その教師には吊し上げと処分が待っています。手が出せないのをいいことに、非行生徒はますます教師を馬鹿にし挑発するようになりました。本気で生徒に正対する教師には厳しい時代となりました。

 学校の例を挙げましたが、他の社会でも同様だろうと想像しています。裏金も飲酒も体罰も、まな板に乗せれば良いこととは言えません。中には悪質な事例も確かにありますので、一律禁止は止む得ないことではあります。世の中清潔になったと言えばそうかもしれませんが、その代わりみんなが保身や自己防衛に走り汲々とするような時代になりました。多少のことなら、お目こぼしや苦笑いで済ませられる社会が本当は一番だと思うのですが、そのゆとりはもう無理でしょうね。

<今日のメロディー>
「haruno-uta.mid」をダウンロード 春のうた♪

030

満開の桜
(歩道橋から)
2013.3.24

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コメント

 何処かの町で、ミケランジェロの
ダビデの像のレプリカが、教育上
好ましくないとのことで、撤去とか
 
 そのうち、銭湯も禁止になるかも・・・

cotton harbourさんへ
コメント、ありがとうございます。
区域を限って許可していたものを禁止にしました。清潔にはなりましたが、禁止されたものは散り散り潜って一般の人に伝播し、ついには援交と名を変えて中高生にまで伝わりました。ふたつよいことはありません。  くりりん

 オランダは飾り窓が公認の国です。
昼間は「学校の先生」、
夜間は「夜の蝶」の方が、
ごく当たり前におられるとのことです。
 日本では、到底考えられませんね・・・
「日本を取り戻そう」

マリーナさんへ
コメント、ありがとうございます。
袋叩きがすさまじいので、それに抗せず(というか迎合して)厳罰化の方向に流れていきます。確かに悪質な事例もありますが、それほどでもないものまでもが一緒くたです。 くりりん

本当に公務員、とりわけ学校の先生にとっては大変な時代になってしまいました。民間企業の会社員は業績(利益)さえあげていれば、違法な行為は別として、そんなに厳しく管理されることはありません。
これも大人社会のイジメではないのでしょうか。

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