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2017年6月 9日 (金)

我が子を虐待死させる親も暗闇を抱えている

 幼い我が子を虐待して死に至らしめる若夫婦がいます。時折ニュースで知ります。親の資格のない、まったくとんでもない親だと思います。死んだ幼い子は本当に可哀想です。誰しもそう思うと思います。しかし、こういうニュースを耳にするたびに、同時にいつも思ってしまうことがあります。

 彼ら両親も、かつて子どもの頃、その親から同じような育てられ方をしたに違いありません。でなければ、我が子にそんな育て方をするはずがありません。初めて子どもが生まれた時は、その若い両親もきっと嬉しかったでしょう。でも、誰にとっても子育てはなかなか簡単にはいきません。子育てに困った時、彼らの身近に頼りになる相談相手はいなかっただろうと推察しています。どう育てていいか分からなければ、自分がされたのと同じことを繰り返すしかありません。そばでそれを注意してくれる人もいなかったでしょう。

 彼らがやったことを、私は弁護するつもりは全くありません。誤解のないように言っておきますが、同じような境遇でも懸命に努力して立派になった人、立派に子どもを育て上げた人がたくさんいることは承知しています。しかし同時に思います。我が子を虐待死させる親は確かに凶悪なことをしているわけですが、その背景を探ると、そこには孤独や貧困がきっとあっただろうと想像しています。虐待死だけではありません。犯罪を犯す人の大半に、孤独や貧困の要因があると思います。

 学力と年収との相関関係が言われています。その相関関係はデータが裏付けています。データがあるかどうか知りませんが、病気と年収との相関関係もあるでしょう。犯罪と年収との相関関係もあるはずです。

 我が子を虐待死させる親も暗闇を抱えています。親の経済力で大学まで行かせてもらった私には、彼らを簡単に糾弾することに躊躇いがあります。同じ境遇に生まれていれば、自分だって同じようなことをしたかもしれないからです。

<参考>
「『罪』はその人だけの責任か」2009.3.20

http://nobu-chin.cocolog-nifty.com/blog/2009/03/post-8a38.html
「負の連鎖」2010.11.12
http://nobu-chin.cocolog-nifty.com/blog/2010/11/post-5d4a.html

<今日のメロディー>
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コメント

Cicaさんへ
コメント、ありがとうございます。
時間のある時にお読みください。 くりりん

あまだれ9、杉田に届きました。ありがとうございます。
毎週ネタが続いて、凄いことですね。

マリーナさんへ
コメント、ありがとうございます。
世の中全体が貧しかった頃は虐待死が多くなかった、というのは確かにそういう気がします。データはありませんが、そうかもしれません。あるいは、そういうニュースが行き渡らなかったせいかもしれません。今は貧富の格差が生み出され、人々の生活に精神的な余裕がなくなったのでしょう。親から子どもへ本来受け継がれるものが、どこかで途切れている気もします。単純な問題ではなかったようです。 くりりん

我が子を虐待で殺害してしまう事件が後を絶ちません。近年増加した現象なんでしょうか。世の中全体が貧しかった昔はそれほど多くなかったような気がします。貧困というのは相対的なものなんでしょうか。
テレビニュースでこの種の事件が放映されると、玄関先に死んだ子が乗っていた三輪車が写し出されることがあります。なんともやりきれない気分になります。きっとそれまではかわいがっていたんだろうに、一体この家庭に何があったのだろうかと思ってしまいます。

ヨッキーさんへ
コメント、ありがとうございます。
貧困になると確かに心に余裕がなくなります。それが、他人への攻撃に転化されることもあります。子育ての貧困対策は、私がもっとも期待する政策です。「心に入れ墨」、素晴らしい表現です。どこかでお借りしたいと思います。  くりりん

重い内容ですね。
貧困というのは本当にしんどいですよね。
家庭の事情で、若い頃、数年間お金がない時がありました。
それが、どこかで心の彫り物になって、今でもお金がないことに恐怖します。
連れ合いにはその恐怖が実感としてないので説明するのに難儀します。
例えば、今でも、通帳に記載されいる金額の減少に過剰に反応してしまうことがあります。
その反応を連れ合いが不思議がるのです。
貧困になると、明日のことが不安定なので、気持ちに余裕がなくなります。
それが続くときっと危機的な精神状態に追い詰められていくのでしょうね。
私のように短かった者でさえ心に入れ墨が残るのですから。

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