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2020年9月25日 (金)

未完の完

最近の映画ではあまり見かけませんが、昔の映画では終わりの画面に「完」という文字がよく出てきたのを覚えています。それが終わりという意味なのは、見ていた子どもの私にも分かりました。完全、完璧、完成、完了という言葉があるくらいですから、「完」という言葉には、「全く文句のつけようがないくらいに仕上がった」、というような意味がどうやらあるようです。

人生に悩み事心配事は付き物で、それあってこその人生。もしそうしたものがなくなれば、それは人生自体が既に終わったということ。こういう良い話を最近耳にしました。なるほどそう考えればいいのかと、目からウロコでした。

絵描きは、明日の朝起きたらキャンバスにあの色を塗ろう、と思って夜、床に入る。そのまま朝が来なかったその日まで、明日こそはの思いを毎夜毎夜繰り返して死ぬ。これは絵描きのH先生から聞いた話です。なるほどそうだろうなと思い、これにも感心しました。

上の二つの話に共通しているのは、「未完」という言葉です。悩み事や心配事が全て解決されてゼロの状態なら「完」、自分が塗りたい色を全て塗り終わって作品が仕上がれば「完」ですが、実際には悩み事心配事は尽きず、色は塗り終えず作品は出来上がりませんから、ここでは「未完」になります。多分大多数の人の人生とは、結局はそういうものなのかなと思います。でも、それはそれでそれなりに人生を全うしたということになるわけですから、まさに「未完の完」です。たとえ未完の大器のまま人生が終わったとしても、その人の人生は素晴らしく「完」だと思います。

<今日のメロディー>
どんぐりころころ♬
https://youtu.be/8j_4WtwnbX0

 

 

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